病弱で内向的な少年·フランソワは、スポーツ万能で快活な両親に対し、劣等感を持っていた。
しかしある出来事をきっかけに、両親が封印していた過去の秘密を知り…。
第二次世界大戦中、ナチス占領下のフランスを舞台にした、あるユダヤ人一家の悲劇。
過去と現在をパートカラーにした映像が効いている。
フランソワの父·マキシムと母·タニア。
かつてそれぞれ別の伴侶がいたふたり。
マキシムは自分の結婚式で、花嫁アンナの義姉タニアに一目惚れしてしまう。
やがて彼の横恋慕に気付いたアンナが、徐々に心を病んでいく姿は痛々しい。
夫が溺愛する息子·シモンを道連れにした彼女の行動は、女の執念だったのか。
水着姿もエレガントで、眩いばかりに美しいタニア。
本当に罪な女性だ…。
彼女に惹かれたマキシムの自業自得ではあるけれど。
重い十字架を背負った父を救おうとするフランソワ。
切なくてやるせない。