コロンビア初のテクニカラー映画だそうである。そしてまた、製作者ハリー・ジョー・ブラウンとバッド・ベティカー(今作では助監督)、ランドルフ・スコットという「ラナウン・サイクル」の三人がはじめて名を連ねた作品でもある。
という意味では興味深くもあるのだが、どうも面白みに欠ける映画である。グレン・フォードは颯爽としていてまずまずなのだが、ランドルフ・スコットとクレア・トレヴァーがビミョー。何したいんだか不明。エドガー・ブキャナンはかなりグレーな役(『テキサス』でもこんな役を演じていたなと思い出した)だが、その葛藤みたいなものもあまり描かれない。総じてキャラクター全員、描写が薄い。
ダイナマイト使いのニトロを演じるグイン・ウィリアムス(『幸運の星』の敵役)も中途半端なキャラだが、個人的に『幸運の星』が好きすぎるせいか、トーキー以降の映画でグイン・ウィリアムスを見るとなんとなく嬉しくなってしまう。