まあテーマは、わかる。
それを戦後間もないこの時期にやったことの意義も、わかる。
でもその主張なら、
最初の115分まるまるいらなくね?
戦争指導者を矮小化して皮肉る意図はわかる。
あいつらなんて所詮こういうのと同レベルだよって。
ただ、劇中でそのリンクを一切せずに、
結末でいきなり言葉だけぶち込んでくるから、
その前ふり115分もやる必要あった?
ってなるんだよなあ。
そもそもお笑いの部分も全く笑えないし、
シリアスでもないし、
すごく中途半端。
「独裁者」でもそうだったけど、
最後に言葉で長々とテーマを主張しなきゃいけないこと自体が、
映画全体でテーマを表現できてない何よりの証左だし、
だったらそもそもコメディにこだわる必要ないし、
この時期のチャップリンって、
自分がいま主張したいことを最大限に表現できる方法は何か、ではなく、
コメディアンであることにこだわりすぎちゃってたのかなとか。
何度も言うように意義はわかるんですよ。
だからこそ、
それを最も効果的に"映画全体で"表現してほしかったな。