荻昌弘の映画評論

チャップリンの殺人狂時代の荻昌弘の映画評論のネタバレレビュー・内容・結末

チャップリンの殺人狂時代(1947年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 ーーさてその中の値打ちは、「チャップリンの殺人狂時代」であろう。ここに出て来るチャップリンは、おなじみの山高帽も冠っていなければ、ドタ靴もはいていない。そして、いつものように女にフラれるみじめなフェミニストではなく、なんと中年の女を妻にしては殺し、その保険金を奪うという現代の青髭魔となって登場する。しかもこの悪事には、人道主義者としてのチャップリンの、はげしい主張と哲学がこめられているという次第。その主張がどんなものか、果して正しいか間違っているか、それは映画をごらんになった上で考えていただくとして、
 ーーともかくこれは喜劇でありながら、最後には涙さえこぼれてくる真面目な作品だということをお伝えしておこう。
『映画ストーリー 1(5)』