菩薩

Interview インタビューの菩薩のレビュー・感想・評価

Interview インタビュー(2000年製作の映画)
3.6
大変意味深な作品。内容は全く違うが言ってしまえば『愛がなんだ』だし、所謂「真実と虚構」の作品であり、映画内映画(しかもインタビュー形式のドキュメンタリー)が存在し、この作品は7番目のドグマ95作品であるが、ドグマの純潔の誓いは内も外でも次々に破られていく(これに限った事じゃないが…)。カメラの前で嘘を付くことで秘められた真実に接近していく物語、それはあたかも「愛とは偽りである」との真実に接近していくかの様にも捉えられる、チャゲアスで言うところの「僕はこの目で嘘をつく」である(関係ない)。なおかつもう一つ意味深なのは「タルコフスキーの墓」の存在、その後にはヌレエフを思わせるバレエのシーン、どうやら2人の墓は同じ墓地内にあるらしく、となるとタルコフスキーは「虚構(天使)」の芸術であり、ヌレエフは「真実(人間)」の芸術…?「監督」はタルコフスキーの墓を写した写真に「真実を見つめているか?」と書き込む、尚更怪しい。反復かつ往復の映画であり、特に「映画は冒頭5分が肝心だ」と語る冒頭の反復が印象的で、虚構と真実との往復の結果、遂に虚構は真実に追いつき、「監督」と「女優」はカメラを抜きにして隣に並ぶ。とまぁここまで書いてきて自分でも何を書いているかさっぱり分からないし、こんな事言うたら元も子もないが、フランスで映画製作を学んだ監督らしい作品であると思う。世界が「嘘」の上に成立している点はまさにドグマ的であると言えようか、知らんけど。
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