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大怪獣決闘 ガメラ対バルゴンのmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.4
ガメバル、どうレビューを書こうか悩んで時間かかったな。
というのも立ち位置が微妙なんだよね。

昭和ガメラが持つ子供向きの明るい作風。
ゴジラは子供向きに作風が変わったことが堕落だと言われたけど、ガメラは子供向きであることがアイデンティティーなんだよね。

対バルゴンはその子供向き路線に移行する直前の作品なんだよね。ストーリーはむしろ大人っぽい。昭和ゴジラ中期の雰囲気に似てる。面白いんだが良くも悪くもみんながイメージする昭和ガメラと違うんだ。
ここがバルゴンの評価の難しいとこでさ。

戦中に南海の島で見つけた宝石を取りに行き、散々裏切りやなんやで生臭いドラマが進む。
毒サソリに刺されて「目が見えへん〜」って悶え死ぬシーンの怖えこと。

特撮シーンも良くできてるんだよね。
冒頭の黒部ダム破壊シーン。贅沢だよなぁ。
メガロのダムに匹敵するよ。
神戸での船の爆発や大阪での自衛隊の攻撃など、アングルの格好良さもある。
しかしバルゴンの朴訥なデザインは如何ともし難いな(笑)ガメラもそうだし、巨大生物としての怪獣の表現には東宝に一歩譲るなぁ。
棒状の舌も、完全に棒だもんな。まぶたが縦に閉じるのはいい塩梅で気持ち悪いが。

しかし、大阪を凍結させるって、そこそこの災害だよな。すごいよ。
で、避難する市民の描写も良くできてる。混乱しながら逃げる感じは他に類を見ない。

基本的にはバルゴン退治に人間が奔走し、ガメラが最後に止めんさす、そんな構造。

昭和ガメラの真髄はもう少しお預け。そういう評価。
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