八つ年下の佐野守の一途な想いに撃たれて一度は駆け落ちを決意する岩下志麻だが、玉緒をはじめ女性陣はそれに反対…どころか阻止にかかる。岩下・佐野側に感情移入している我々観客としては玉緒の裏切りには呆気に取られるのだが、しかし彼女らは男が裏切る生き物であることを知っているのだ。冷静になると佐野の一途さにはあまりに向こう見ずなところがあり、一旦冷めたらどうなることやら、という気がする。また岩下自身もそれに気付いているからこその決断をする。編集がうまくいってなくてあまり画面にキレはないのだけれど、こういったシナリオの機微が大変面白かった。
