荻昌弘の映画評論

嵐の園の荻昌弘の映画評論のネタバレレビュー・内容・結末

嵐の園(1948年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 「緑に誓う」色彩版でアルカと脅威を感じていたが、多少「赤い家」色彩版みたいな味もあって案外に悪くなし。ロン・マカリスタアと初見参のジュウン・ヘイヴア(ちょっと手のとどきそうな所が絶妙ですな。但し歌わん踊らんとはストリップ女優が服を着るに等し)がハツラツとしたジュンな若さを発散させる点を大いに買いたい。
 ロンとロバアト“スーパーマン”カアンズの川の激闘なぞ、弱気の小生にはやや強すぎるシゲキなれど、おとな共のバレエじみた八百長喧嘩には見られぬ覇気があってたのもしい。このあたり色彩も、田園、森林の空気と日光と草と土の匂いを伝えて快調。
 肝心のラバさんのお話の方は、まさに“筋書き通り”の展開、今更甘いのワザとらしいのと言った所ではじまらぬ。まあせいぜいお若い二人の楽しげなヴァイタリティをハタから祝福してやっておくれ。
『映画評論 7(6)』