Vega

中国の植物学者の娘たちのVegaのレビュー・感想・評価

中国の植物学者の娘たち(2005年製作の映画)
4.7
「小さな中国のお針子」のダイ・シージエ監督作品。
どのシーンを切り取ってもいずれも溜め息が出るほど美しい。
直接的な表現は控えていますが、とても官能的です。

同性愛が描かれているため、中国での撮影は許されずベトナムにて撮られたとのこと。

湖に浮かぶ孤島の植物園。そこに暮らす植物学者と娘アン、そのふたりのもとに、唐山大震災で両親を失い孤児院で育ったミンが実習生として現れる。

静謐で広大な自然、生い繁る瑞々しい植物たち、蒸気立つ薬草のベッド、水上の結婚式、放たれる鳩…
ひゃはーーー!もう全部好きです。美しい!


うーん、この植物園って中国という国のメタファーなのですかね…。
孤独を感じつつも従順に父に尽くし、彼の愛する植物たちの世話をし日々を過ごしてきたアンは、ミンと出会うことで生きることに目覚めていく。
九官鳥の「毛主席、万歳!」もまた意味深で…。

うっとりと映像美に浸りながらそんなことを考えました。

ラストについてはネタバレコメントにて。
Vega

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