8Niagara8

無防備都市の8Niagara8のレビュー・感想・評価

無防備都市(1945年製作の映画)
4.0
前半と後半の二段構えがより最後のシリアスさを際立たせる。
特に前半はユーモラスな顔を覗かせ、市井の希望的な面を描き、それでいながら戦争は生活に存在し、物語が展開されるにつれますます邪悪さを湛える。
神の存在がありながら、極めて実在的。
とはいえ今の視点に立てば、クリティカルな視座を持ち合わせ、痛烈に皮肉的でもある。

正しく生きることは難しいが、正しく死ぬことはできる。
生々しく重みのある言葉である。
そこまでナチスの上官においても人種間の差異を含め、殺戮の正当性を訝しる流れがあっただけになおさら。
フランチェスコの離脱を含め、処刑シーンが持つある種の軽薄さはラストシーンでの子供たちと共に戦争の惨さを物語る。
8Niagara8

8Niagara8