あいこ

無防備都市のあいこのレビュー・感想・評価

無防備都市(1945年製作の映画)
3.2
目に映る映像を頭で理解し解釈しつつも それらがあまり内側の方まで染み込んでこなかったなというのが正直な感想
ファシズムに対する抵抗の意思を端々に感じて、全体主義に呑み込まれてゆく世界の中で それでも信じるものを貫く人々まなざす作品なのだろうなと解釈しているけれど、正しく生きることは難しくけれど正しく死ぬことはできる、肉体は滅びようとも魂が屈することはない、そういった言葉や信念がある種の崇高さを湛えているからなのか何が原因なのか、かなり距離をとった視点から彼らを見つめてしまい上手く入り込むことが出来なかった
きっと燦然と輝きながら映画史に名を連ねている作品なのだろうなとは感じたけれど、私の心の奥の方にまで差し込むような発光の仕方ではなかったみたい

走り去る車を追いかけるシーン、いきなりの劇的ドラマチックぶりに不謹慎ながら笑ってしまった、きっとここが名シーンと言われてるのだろうなとかそんなことを思いながら見つめてしまいなんとも言えない心持ち
ちょうどナチドイツの本を読み終えた所だったのでタイムリーな作品だった
あいこ

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