bluetokyo

無理心中日本の夏のbluetokyoのレビュー・感想・評価

無理心中日本の夏(1967年製作の映画)
2.7
面白いか面白くないかと言えば、まったく面白くはない。
この映画の唯一の特徴は、ヒロイン、というか、紅一点の役柄である、ネジ子に、まったくの素人をキャスティングしていることだ。
意図はよくわからない。
したがって、ネジ子には、映画的な魅力は、まったくない。映画という表現を破壊してしまうというシュールさがあるということを目的としているのか、たんに、そうそうたる俳優たちが出演しているので、なんとかなるだろうとか、もっと卑近に、予算の都合なのか。

ネジ子だけ、普通の感じで、ウロウロしていて、まわりは、かなり役作りしている俳優が演技をしていて、という風に見ると、まあ、なんか、シュールではあるけど、映画としては、まったく面白くはない。シュールだから面白くないわけではもちろんない。
ひょっとすると、ネジ子役を、それなりの女優さんに演じてもらったら、なんか、演劇みたいになってしまうので、それを避けたかったのかも。

簡単にあらすじ。
男となんとかなりたいネジ子がぶらついていると、ちょうどよさげな男がいた。ただ、その男は自殺願望の強い男だった。
砂漠みたいなところ?に行くと、やくざ、というかギャングみたいなのが来て、穴を掘って、武器を取り出して、どっかに行った。
ネジ子と自殺願望の男は、そいつらに付いていった。

そいつらは、アジトみたいなところへ入っていった。
アジトには、ギャングというより、別のいろいろな人がいた。牢名主みたいなと凶暴なので縛られている人などがいた。
不穏な空気で何事かが始まりそうで、始まらないという、焦燥感に満ちた雰囲気だった。

ネジ子は暇なので、ぶらぶらしていると、とにかくライフルをぶっぱなしたい少年と遭遇したので、連れて来た。
ライフルが撃ちたくて仕方がないので、その少年は大喜びだったが、なにも起きないのだった。

しばらくすると、ギャングのトップの男がやってきて、何も起きないから、みんな、帰ってよい、と告げる。牢名主みたいな男が、ギャングのトップを射殺する。

また、しばらくすると、テレビを抱えた男が登場。テレビをつけると、不穏なニュースをやっている。固唾を呑んで見入る連中。

どうやら、白人の男がライフルを撃ちまくって、逃走している模様。みんなで、その白人のところへ行こうということになり、武器も配られ、アジトを出る。
実際、ライフル魔の白人と合流。
移動しているうちに、大勢の警察官に包囲され、徐々に射殺されていき、全員、射殺される。

テロ集団やカルトみたいな心情を表現しているのだろうか。
最後の銃撃戦は、それなりに迫真に満ちている。アジトでの鬱屈状態もある。

とはいえ、映画としては、面白くはない。
bluetokyo

bluetokyo