ヨウ

やさしい女のヨウのレビュー・感想・評価

やさしい女(1969年製作の映画)
4.1
男って女性を観念的な存在でしか捉えられないダメな生き物だよなぁって思って男である自分も何だか申し訳ない気持ちになってしまった… 女性と付き合う・結婚するのは「愛」ではなく「エゴ」のため。独りよがりになるのはいつも男。傷つくのはいつも女性。遣る瀬ないね…

美しくて純朴な女を射止めたのは質屋を営む中年の男。お互いにとって何もかもが幸せに運ぶはずだった…
ある悲劇から回想される結婚生活の甘味と困難。2人の関係性が凍てついていくのは「結婚」に対する考えの行き違い故か。反目し合う愛情。”やさしさ”の裏で溜まる蟠り。鬱々とした真相に言葉もない。

ブレッソンらしい容赦の無さが男女関係へと紐付けられた何とも悲しい傑作でございます…
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