劇伴がなく、静かな映画だと思った。
ドミニク・サンダの表情がとても魅力的で、この人を撮りたいがための映画と思わせるほど。
夫の口数の多い独白が煩わしく、妻と使用人の、ミニマムなセリフと豊かな視線、表情、小物の使い方が美しい。
小市民的な男性のしょうもない愚かしさは今でも変わらんなと思いつつ、理想的な女性としての妻は、音楽と古典を愛し、博物学に造詣が深い、というのは今の時代に生きる私から観ると、流石に古めかしいなとは感じる。
頭と心を動かしながら観ることができた。
少し情報過多に食傷気味な気分にとてもマッチしていた。