そのひとことが、命取り
ベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)の言葉は、悪魔の囁きのよう。吸い込まれてしまう。知性があり、品と風格がある。叙情的だし、合理的でもある。そして実に冷酷だ。余計なひと言には、すぐさまキレる。本当に悪い人とはこういう人のことをいうのだろうか。そこに優しさのようなものが入り混じるから、まっことタチが悪い。んなもん、魅せられてしまうに決まっとるやろ! 黒沢清監督のCUREみたいに、操られてしまう。ラッセル・クロウはイエスのように預言する。「もうすぐ○○は、お前を裏切るだろう」そう言われると、そうなるような気がしてきちゃう。
えっ!? あのピーター・フォンダをえっ!? そうしちゃうの?
その副頭のチャーリー(ベン・フォスター)のイカレ具合が、これまた凄くイイ。このイカレちゃってるケダモノを、調教できるのはラッセル・クロウしかいない。着てる服もお洒落でいけてるのにさ。ラッセル・クロウLOVEじゃなければ、イカレててもモテモテだったと思うな。
ダン・エヴァンス(クリスチャン・ベイル)は、・・・、以下、略!
ここまで書くのに、力が入りすぎた! 力が尽きた! とにかく、良かった良かった。良かったのだ!
終盤もめっちゃいい!!!
2作比べてみると、元々の映画が純正西部劇 / そして本作品はマカロニブレンドのような印象を受ける。どこがどうって言われたら、よくわからないのだけれど。アクションも最高! ガンプレイは・・・って、まだ、語れるまでに至ってません! 無邪気にガトリング砲回すのはやってみたいです。あと、崖とか屋根とか、高いところから無口に構えてるのとか。
それから本作の方が、父と息子との関係を、より強く描いている。最後の方には、2人の父が息子を育てているような感じにも見えた。ひとりの父に息子を譲り、もうひとりの父は去っていくような。クリスチャン・ベイルがさいごにみせる顔が、とても印象的だ。ラッセル・クロウの口笛にもやられた。息子ローガン・ラーマン君は、父から受け継いだものを心に抱え、誇り高く、生きていくだろう。