ストレンジラヴ

時をかける少女のストレンジラヴのレビュー・感想・評価

時をかける少女(1983年製作の映画)
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「でも…ずっとふたりきりなんでしょうかねえ?」
「ずっとふたりきりなんだろうね…」

アニメ版(2006)のリバイバル上映を観た勢いでこちらも鑑賞。
なるほど、アニメ版の「魔女おばさん」の正体がようやくクリアになりました。棚にアレを飾っていたということは、やはりそういうことだったんですね。ただ、あくまでもパラレルワールドということではあるかと思うが。
さて、本作についてだが、なんというか、とても尺の長い大分麦焼酎「二階堂」のCMを観たような感覚になる。尾道と竹原が良い仕事をしている。
いかにも80年代アイドル全盛期に乗っかった角川カドカワな作品といった仕上がりで、芝居の上手い下手は二の次、作るか作らないかが大事といった感じ。
時代の肌感覚の違いもあって、それはもうツッコミどころ満載。ラベンダー以前に開始早々ダイオキシンが気になって仕方がないし、校庭でバレー部が練習しているすぐそばで弓道部が練習しており、「絶対事故るな」という確信を持って観ていた。そして棒読みに次ぐ棒読み...尾美としのりはまだ観ていられたが、他の学生たちはお世辞にも...。まあ、原田知世が可愛いから許すが、やっぱり原田知世はショートよりロングの方が似合うと思われる。そして何だよあのエンディング、笑いが止まらなかったわ。
ただ、カット割りはとても素晴らしい。言葉で語らずとも、映像で全て説明してしまうし、色の出し入れは前衛映像作家出身だけあって大林宣彦監督の才気が漲っている。だから観ていられる(途中チャチなシーンはあったけれどね)。
ただ、本作とアニメ版を文字通り時空を超えて繋げることができた。その点では不思議な達成感に包まれたのは事実で、双方の良さが引き立ったように思う。