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時をかける少女のiiparaのレビュー・感想・評価

時をかける少女(1983年製作の映画)
3.5
「となり町戦争」で、流暢に難しい長台詞を喋る知世様を観た後に、この映画を観ると、これは代表作というより汚点なのではと思ったし、80年代はこんなに演技が下手でも映画が成立したのかと、最初の15分くらいは違和感炸裂。

でも、観終わると、なんだかとってもいい映画を観たって気持ちになってるとこが、さすが原田知世様であり、さすが大林宣彦ワールドであり、さすが角川映画なのである。

こうなると映画も観ずに「時をかける少女」を歌ってきたことが悔やまれる。映画と主題歌の物の見事な融合。最後の主題歌を場面ごとに歌うシーンも秀逸。

特に派手な恋愛が繰り広げられるわけでもないし、せっかくタイムトラベルをするのに、昨日と同じ今日を過ごすみたいな地味なタイムトラベル。時代を超えて大冒険するわけでもない。

それでもなんかいいなと思ってしまうし、淡い恋心も、静かな高校生活も尾道の暮らしも、原田知世の天才的な透明感も、やっぱり今観ても素敵な映画で、原田知世の永遠の少女ぶりは、時をかけて永遠に美しく刻まれるのだ思った。
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