うめ

グッドナイト&グッドラックのうめのレビュー・感想・評価

3.9
 モノクロの画面にジャズ音楽…おいおい、これは「おしゃれ映画」なのかと思ったが、とんでもない。「アメリカとは何か」を報道を通して訴え続けたCBSキャスター達の実話を元にしたドラマである。

 キャストが皆素晴らしいが、一番はやはりエドワード・R・マローを演じたデヴィッド・ストラザーンだろう。普段は寡黙な方だが、タバコ片手にカメラの前で話す言葉は明確で、しかしずしっと重く心に残る。あの静かな熱意とでも言おうか、それがひしひしと伝わってきた。

 今作もまた今観るべき作品の一つなのかもしれない。アメリカに限らず、国家や自由など近代に形成された枠組みが少しずつ崩れかかっている現代、一人一人がどうすべきかを考えていく必要がある。マローの言葉はそれを考えるきっかけをくれたような気がした。
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