二時間を超える上映時間だが、源氏物語全編に紫式部の生涯も詰め込む無茶な構成。
さらに細川ふみえの明石の君の水中出産や紫式部の旦那が賊に襲撃され落命するシーンなど東映ならではの余分なサービスシーン満載で文芸作を観にきたつもりの観客の気持ちを逆撫でする(映画館で観た際には帰路、エレベーター内で若い女性の二人組が「これじゃない感じ」と言っていて、いい得て妙だった)。
だが、この作品、東映のポルノ時代劇や異常性愛路線の延長線上にあると理解すれば全ての疑問は氷解する。往年なら桐壺・藤壺は池玲子さんが、末摘花は大泉晃さんが演じたはず。
では最大の謎・松田聖子の揚羽の君は誰にあたるのか?往年の暗黒舞踏の土方巽に相当する役どころなのである。