悠

千年の恋 ひかる源氏物語の悠のレビュー・感想・評価

千年の恋 ひかる源氏物語(2001年製作の映画)
3.0
道長の娘・彰子に話すように紫式部が語る
「源氏物語」。

源氏物語だけの映像化だと
勘違いしていたけど、
紫式部や藤原道長側の話も
ところどころ描いていた。

東映50周年を記念して作られた作品。
宝塚歌劇団退団後の天海祐希さんが光源氏を
演じたというから気になって観た。

あまり良い評判を聞かない作品では
あるけれど、興味深かった。

吉永小百合さん演じる紫式部の語り、
天海さん演じる光源氏の色気のある
現実離れした男役、
光源氏に狂わされていく女性たち、
この時代の逸品を揃えた作品だと感じた。

正直、光源氏をリアルな男性がやると、
下手したら女性からかなりマイナスな目線を
送られるから天海さんのカッコいいけれど、
どこか儚い、生々しさを感じない男役は、
ある意味正解だと思う。

あと、常盤貴子さんの紫の上が良かったな。
かなり切ない感じが出てたし、綺麗だった。

松田聖子さんが出ているとは知らず、
登場した時は驚いた。
正直、松田聖子さんの役は
必要だったのだろうかと疑問が残る。
(和歌=歌で歌手も登場させ、
場面を盛り上げようという
感じなのかもしれないけど
効果的だとは感じられなかった……)

源氏物語を知るのには割と
分かりやすく描かれているので、
「源氏物語ってどういう話だっけ?」と
なった時にはちょうど良い作品だと思う。

※今(2024年)観ている感覚だろうけど、
 津波のシーンで「今撮ると
 問題になるだろうな」と感じた。
 昨今直接的描写は避けているからね。
 辛い方は観ない方がいい。
悠