けーはち

ブレイド2のけーはちのネタバレレビュー・内容・結末

ブレイド2(2002年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ヴァンパイアをも喰らう、新たな敵と対峙するブレイド!だが、実はそれはヴァンパイアの陰謀だった……?

★今回はギレルモ・デル・トロ監督。現代社会の闇に暗躍する吸血鬼を狩る都会派ダークヒーローだった前作から一転、人跡未踏の「ヴァンパイア王国」なるものが出て、世界観が揺らぐ??

★ヴァンパイアを襲うのは、新種族〝死神族(リーパーズ)〟……銀もニンニクも無効。紫外線以外の致命打がない。まるでエイリアンのようにパカーッと縦横に口が裂け、触手みたいな舌が出てグチャグチャと食らいついてくる。絵面のエグ味は増し増しだ!

★前作に増してテンポは軽快。シナリオは3つ巴の様相を見せつつもドンデン返しが効いている。「敵の敵は味方」──ヴァンパイアはブレイドと一時休戦し手を組むが当然のように裏切り。ブレイドはヴァンパイアの手に落ちる。

★リーパーズはヴァンパイアの王が遺伝子操作の実験台にした王子の成れの果てだった。弱点克服研究のため我が子を実験動物とした王は私情を切り捨て、その結果、子の離反を招いた。王の親子間の人情模様はビターな味わい。ブレイドの剣を自ら受ける王子の、最後の刹那は少し切ない。

★ブレイドを演じるウェズリー・スナイプスの、キメキメアクションは前作同様、ガシッと重々しく冴える。煌々と照るスポットライトに影を作るブレイドの姿は、ヒャーッ、カッコ良い!それなのにサングラスの下は案外にも表情豊かでユーモラスな一面も。

★前作で自決したはずのウィスラーはヴァンパイアに転化して生きていた。ブレイドは父や師のように慕う彼を治療し、元に戻す。鏡写しのように、彼は終盤、囚われたブレイドを影ながらサポートする。クリス・クリストファーソンの頑固ながら情の厚い爺キャラは佳良!

★今や「ウォーキング・デッド」のダリルでお馴染み、ノーマン・リーダスが新相棒……って思ったのに実はヴァンパイアの下僕。とんだ食わせ者!とバレたや否や、即爆殺。テンポ良すぎ!

★ブレイドと一時共闘するヴァンパイア軍団もクセモノ揃い。特に注目は剣使いのアジア人、ドニー・イェン。本作はあくまで脇役なので大人しめだが、技巧的なアクションは本物。

★今回、紫外線を発射する閃光手榴弾が登場。さらに、それにニトロを込めることで、紫外線が爆風に乗って隅々まで行き渡り、リーパーズもヴァンパイアも一網打尽の必殺兵器がお出まし!(いや、紫外線が爆風に乗って行くのはおかしい)

★ヴァンパイアのお姫様とブレイドが、ちょっとイイ感じになるのは、日の出を一緒に見てヴァンパイアだけサラサラと散っていくラストのカットのためだろうか。綺麗に締めた。

★調子外れな所はなくはないが、かなりイイ線だと思う。前作が好きなら是非に。