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デッドゾーンのYYamadaのレビュー・感想・評価

デッドゾーン(1983年製作の映画)
3.7
【スリラー映画のススメ】
◆作品名:
デッドゾーン (1983)
◆映倫区分 / 日本 : PG-12
◆スリラーの要素
 超能力にて未来を見えるようになる
◆本作のポジショニング
 サスペンス □■□□□ ホラー

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・教師のジョニーは恋人サラとのデートの帰りに事故に遭い、昏睡状態に。5年後、目を覚ましたジョニーには手に触れた者の未来と過去を見通す超能力が身についていた。
・ジョニーの能力は凄惨な殺人事件を解決に導いたが、その一方で彼自身を疲弊させていくことに。やがてジョニーは上院議員候補スティルソンにまつわる恐るべきビジョンを目の当たりにするが…。

〈見処〉
①未来を見るな。未来を変えろ。
 クローネンバーグ監督の出世作——
・『デッドゾーン』は、1983年に製作されたサスペンス・スリラー。
・本作は「モダンホラーの帝王」、ベストセラー作家スティーブン・キングが1979年に刊行した原作小説を映画化したもの。
・監督は「ボディ・ホラーの帝王」デヴィッド・クローネンバーグ。前監督作品『ヴィデオドローム』(1982)は、興行面とはうらはらに、その演出が高い評価を受けていたことから、本作の監督に抜擢。
・本作は、興行面と批評面のともに成功を果たし、クローネンバーグは『ザ・フライ』(1986)のような大作を任せられるようになる、いわばクローネンバーグの出世作。
・自らの原作映画化を酷評することを厭わないスティーヴン・キングにとっても、本作は好きな作品であると認めており「デヴィッドは僕が思いつきもしなかった素晴らしいアイデアを付け加えてくれた」と語っている。
・各国での高評価にもかかわらず、日本では完成から2年後の第1回東京国際映画祭で限定上映された後、更に2年後の1987年にミニシアターのみの封切りとなった。
・主演は『ディア・ハンター』のクリストファー・ウォーケン。共演は『SF/ボディ・スナッチャー』のブルック・アダムス、『ある戦慄』のマーティン・シーン、『M★A★S★H マッシュ』のトム・スケリット。

②結び…本作の見処は?
◎:(作中にヒトラーは登場しないが)「子供の頃のヒトラーに出会えたとしたら、彼を殺すか」…『アンブレイカブル』に通じるような超能力者の孤独な戦いと悲劇を描いた本作は、当たり外れの大きいキング原作のホラースリラー作品のなかで最上位の出来映えで、埋もれた佳作。
◎: 5年間の昏睡の間が、健康な身体と愛する女性を奪い、代わりに与えられたのは、世界を救えるかもしれない「千里眼」を得た男に扮する、若かりし日のクリストファー・ウォーケンの悲哀に満ちた演技に注目。
○: マーティン・シーン演じる政治家がトランプ元大統領のマンマであるのが、先見性を感じる。
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