『ローラ殺人事件』のジーン・ティアニーがあまりにも綺麗だったのでのこのこと観に出掛ける。
本作では古城に娘の家庭教師として招かれるヒロインを演ずる。招いたのは彼女の母親の遠い親戚で領主ということになっているが、よくわからない。なにしろ農家の娘で世間知らずなので、貴族的な雰囲気の相手に興味津々でお気楽に出かけていくヒロイン。
お城には病気がちだが食欲旺盛な奥様がいたりもするが、主人の方はひとり城の塔に上がり秘密めいた行動をする。映画の世界では、西洋の城はもはやあやしい雰囲気の印になっていて雰囲気は満開。
そこではまた、旧体制の領主と小作人という対立関係があり、州法改正により農地解放がとられるという事態を混ぜ込んでドラマを作っている。日本では第二次世界大戦敗北後、アメリカにより農地解放が行われたけれど、いろいろな葛藤があったのだろうか。NHK大河ドラマ「いのち」のベースが農地解放だった。
で、ジーン・ティアニーだが19世紀中葉のアメリカのドレスが似合わない。魅力は半減。衣装によってこうも変わるものなのか。
領主は薬物中毒で云々で興ざめるが、ヒロインの新しいお相手が用意されるラストにも感心しない。
1949年製作。原作アニア・シートン 。脚色監督ジョセフ・L・マンキーウィッツ 。
シネマヴェーラ渋谷 映画史上の名作16(2018) にて