マインド亀

モスラ対ゴジラのマインド亀のレビュー・感想・評価

モスラ対ゴジラ(1964年製作の映画)
3.5
●独立した映画単体作品を持つ東宝スター怪獣が夢の共演!これって既にシネマティックユニバースですよね!この年の年末に上映される『三大怪獣 地球最大の決戦』ではラドンも加わりますので、まさにこの当時はアベンジャーズ以上のワクワク感を味わえたに違いありません。前年には『キングコング対ゴジラ』もやってるわけですし、最高の怪獣ユニバース体験ですよね!そりゃ、こじらす怪獣オタクが増えても仕方がない!

●前作のモスラと同じところは、見世物小屋でビジネスを成立させる悪徳業者の暗躍です。また、違うところは、前作がその悪徳な敵が外国に設定されているのに対し、本作は国内での問題として描かれており、こちらはおそらくその当時の観光開発や政治的な世相が反映されているのだと思います。

●やはり、この時のヒールとしてのゴジラは本当に壮観で、名古屋城から逃げ惑う人々の姿や、それを蹂躙するシーンに熱くなりました。ディザスター表現として胸が高鳴る、至高の映画ですね!

●かたや、モスラの良いところは、寿命の儚さだと思いました。そして戦いそのものが親から子へと引き継がれ、それが双子でゴジラを追い詰める熱い展開!モスラの真の強さはこの命の継承にありますよね。

●観ていてびっくりしたのですが、今作は珍しくおっさん二人による血みどろの殴り合いが表現されており、子供向けにしては割とグロいシーンがあります。
そして金と銃を持って、パニック状態の中逃走するシーンは、AKIRAの根津を思い起こさせます。

●本作は「AIR/エア」を観たあとだからか、あっちに行っては説得、こっちに行っては説得を続ける説得映画のジャンルにも位置づけられていると思いました。正直どの説得もうまくはいってない気もしますが、よくまあインファント島のみなさんが協力してくれたよなあと思いました。迷惑かけすぎ。

●この時点では登場から破壊と怪獣同士の戦闘が丁寧に描かれておりますので、是非見ていただきたい作品です!やっぱり遠くを歩くゴジラと、逃げ惑う人々はちゃんと見れるほうがいいなあと思いました!
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