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モスラ対ゴジラのmitakosamaのレビュー・感想・評価

モスラ対ゴジラ(1964年製作の映画)
4.2
初ゴジ、逆ゴジ、キンゴジからの〜モスゴジ。
自分の感覚ではココをピークにして、三代怪獣から緩やかに作風が堕落していくと思ってます。シリーズ物はどうしても作風の劣化は避けられないけど、少なくともモスゴジまではゴジラというキャラクターのアイデンティティーが保たれていると思ってる。
ゴジラがヒールに徹してるし、それがベビーフェイスのモスラの引き立て役になってる。

物語の骨格はわりと前作のモスラにのっとってるのよね。(キンゴジがオリジナルのキングコングの物語をなぞってるように)
海辺に漂流したモスラの卵の所有権を主張する山師の興行師。モスラでのネルソンのキャラをなぞってるよね。
モスラが人の悪意に反するキャラクターに対して、ゴジラはただただ凶暴なだけ。いわば災害と一緒。

また砂浜の中から突如現れるゴジラの格好良いこと。シリーズ屈指の名シーンだね。さらに造形は白眉のある凶悪な顔にスレンダーで流線的な身体。歴代スーツでも屈指の出来ですな。

悪事を働く人間たちが結果として制裁をうけて、ゴジラ対モスラ成虫!ここはゴジラの放射能を浴びたモスラ成虫が仰向けに倒れてワシャワシャするシーンだよなぁ。逆ゴジでのアンギラス戦で偶然撮られた回転数の違う撮影方法ね。操演で動くモスラが本当に昆虫みたいに見える!本当に凄い。

で双子モスラ幼虫対ゴジラ。一つの卵から双子ちゃんが産まれるのも凄いが。
糸を吐いてゴジラを封じ込めるという離れ業。親はただ飛ぶだけなのに、子供の方が武器があるのよね。

怪獣プロレスという比喩で、キンゴジを王道プロレスとするなら、モスゴジはいわばストロングスタイルだよな。しかも猪木対国際軍団だ。
ヒールに先に勝たせて、次には負ける。こういうベタで予定調和なストーリーこそ難しいよね。
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