一人旅

パワープレイの一人旅のレビュー・感想・評価

パワープレイ(1978年製作の映画)
4.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
マーティン・バーク監督作。

欧州の某国を舞台に、恐怖政治を敷く政府打倒のためクーデターを画策する軍人たちの姿を描いたサスペンス。
クーデターが成立するまでの過程を丹念に描いていて、戦闘員の確保、制圧目標の確定、クーデター決行日の取り決めといった水面下の軍略を余すことなく描き切っている。クーデター阻止を図る警察の対抗措置としての密偵や脅迫等も盛り込んでいて、反政府組織と政府側組織の間で巻き起こるせめぎ合いが見どころだ。
市民を巻き込んだ大規模な市街戦といった描写はない。戦車隊が街を通り過ぎる際も近隣の住民が家の窓から様子を窺うくらいで、これといった混乱は生まれない。市街地の全破壊も辞さない戦争とは異なり、クーデターの敵はあくまで政府であり、静寂さと短期決戦こそが勝敗を決するのだ。映像的にはかなり地味な作品だが、クーデターの計画から決行までの一部始終をリアルに描いている。
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