アトミ

悪魔の墓場のアトミのレビュー・感想・評価

悪魔の墓場(1974年製作の映画)
4.7
94点

骨董品店店主の主人公ジョージがバイクでロンドンを走る。
行き交う人々。車。バス。排気ガス。ゴミ。ナイロン。スズメの死骸。横断歩道を渡る露出狂の女。無関心な人々。工場のガス。原子力発電の蒸気。
都会の人間の生活を写すオープニングからマジでいい。

片田舎までやって来たジョージ。給油に寄ったスタンドで、これまたロンドンからやって来た女エドナのミニにぶち当てられ大破。
ミニで目的地ウィンドメアまで行く事となる。
んだが、エドナは夜までにサウスゲイト近くの姉の家に行かなくてはならないため、とりあえず先にそちらに向かう。

しかしエドナは道を全く覚えておらず道に迷ってしまう。
エドナを車に残し、ジョージは農場に道を尋ねに行くとそこでは農務省実験部門の超音波発生装置にて害虫駆除の実験をしていた。

その頃、暇つぶしに車の外でタバコを吸ってブラブラしてるエドナ。
とそこに「黒づくめの不気味な男」が現れ、エドナを襲う。
何とかジョージの元まで逃げ助けを求めるが、すでに男の姿はなく浮浪者のイタズラだろうという話になった(ここで先日水死した浮浪者ガスリーの名を聞く)。

姉の家へ。
姉ケイティと旦那マーティン。2人はあまり上手くいってない。
ケイティは精神を患っており、エドナに引き取らせるために呼んだようだ。
写真家のマーティンは川へ写真を撮りに、ケイティは家で隠れてヘロインを打つ。
と、そこにあの「黒づくめの不気味な男」が現れケイティを襲う。
マーティンに助けを求め川へ。
カメラの自動連写のフラッシュの中、マーティンは殺されてしまう。
ケイティはジョージとエドナに助けられる。が、またしても男の姿はなかった。

警察はヘロイン常習のケイティを容疑者とする。だれも「黒づくめの不気味な男」の存在を信じない。エドナの話も姉を庇うためだとして聞き入れられない。ジョージの話も信用されない。
なんて酷い刑事だよ。素敵。

頼りにならない警察は無視し、自分達で証拠を集めようとアレコレ動き回るジョージとエドナ。しかしこれがどんどん自分達の首を締めて行く事になる。素敵すぎる。

現場で連写していたフィルムをパトカーから盗みコンビニへ。しかし出来上がった写真はケイティの無実を晴らすようなものでもなかった(つけてきた警察に没収される)。

エドナは以前より気になっていた浮浪者ガスリーの話をコンビニ店長に聞くと新聞を見せてくれた。その一面には「黒づくめの不気味な男」が写っていた。
やっぱ「あの男」が死んだはずのガスリーだったんだとワーワー言ってるエドナに現実を見せるためジョージは墓場へ。
そこにあった棺桶の中にガスリーの死体はなかった。

そしてガスリーがジョージとエドナを襲う!
他の棺桶の死体もガスリーがゾンビとして生き返らせる!ピーンチ!
2人をつけて来た警官も唖然!無線機を落としてしまう!大ピーンチ!!
ジョージ達の運命はいかに!


的なお話。
とりあえず登場人物バカばっかりでマジピカ最高。
やっぱこうでなくっちゃね。
一番のお手柄は刑事が偏見のクソ塊過ぎてクソ最高。いや最高。
暴走ジョージと刑事の非常識とが物語をクライムクライムスパーキング。最高。
監督は相当警察が嫌いなのかな?なんて想像しちまう。

てか超音波害虫駆除装置で死人が生き返るというよくわからん設定なんだが、そのゾンビが襲った人間の血を媒介にし、命を吹きこむという「ゾンビが死体をゾンビとして生き返らすことができる」という設定もよくわからん設定なんだが、「人間や人工的なものが自然界の及ぼす異常(自然破壊)のメタファー」としてみれば問題無し。逆にオープニングが生きてくる。
こちらのゾンビさんは結構頭がいい。てのも試練感増し増しで良い。

ラストもいいね。ヒーローと成りし刑事が今度は真逆の立ち位置へと。痺れるわ。
アトミ

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