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魔術師の映画のレビュー・感想・評価

魔術師(1958年製作の映画)
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旅の魔術師、ヴォーグレル一座のメンバーは個性的な者たちばかりだ。
座長のアルベット・ヴォーグレル博士、博士の一番弟子の青年アマン(実は、アルベットの妻)、軽薄なテューバル、不気味な老女、御者の青年。

旅の途中、アルコール中毒で瀕死の男ユーハン・スペーゲルに出会い、生と死について、彼は語る。町では、領事エーゲルマン、警察署長スタルベック、医者ヴェルゲールスの三人組から、今夜は邸に宿泊し、翌日の朝に興行を見物させてほしい、と権力濫用で命令を受ける。領事とその妻はオカルトに興味があり、医者は否定的な立場を取っていて、二人は一座を賭けの対象にするつもりだ。

夜はエロティックな演出がされている。アルベットに領事の妻から誘惑があり、医者はアルベットの妻に言い寄り、テューバルと女中頭ゾフィア、御者の青年と女中サーラ。媚薬が果たす役割が滑稽味を増している。『夏の夜は三たび微笑む』を思い出させる。

一夜明けて、興行を披露。科学を信奉する医者ヴェルゲールスは一度は彼らのトリック見抜いたつもりになっていたが、実は、驚きのトリックが隠されていて……。

魔術と科学。
この主題にエロティックな要素、喜劇性、幻想的な雰囲気、生と死の観念が巧みに織り込まれている。

結末部のどんでんがえしは痛快である。
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