けんたろう

オテサーネク 妄想の子供のけんたろうのレビュー・感想・評価

オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)
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江戸川コナン並みに名付け方が安直なおはなし。


同じシユバンクマイエル作品の『アリス』や『ファウスト』に比ぶると、物語りは可成り解りやすい。
成るほど非日常が隙を見て日常に忍び込み、物語りに一種の不可解を植ゑ付けんとはしてゐよう。けれども本作は、云ふなれば、日常と非日常の戦ひである。即ち、其の間は矢張り判然としてゐるのである。
そして、其の断絶に依る焦燥が、ときに笑ひを誘ひ、ときに緊迫を生み、ときに狂気を炙り出す。此れが面白い。

現実と妄想の混濁。物語りと共に育つてゆくキヤベツ。御伽噺のグロテスクなる発散。いやあ、面白い。

たゞまあ──彼れの趣味なんかしら──、不味さうな飯とグロテスクな食事ばかりが、印象に残る。