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オテサーネク 妄想の子供のKのネタバレレビュー・内容・結末

オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

チェコ映画の演出も色味もどこか見たことのある…と思ったらアリスのヤン・シュヴァンクマイエル監督の作品。

好みはハッキリ分かれるだろうが、ヤン・シュヴァンクマイエル監督の独特な世界観が好きな人ならハマるだろう映画。
この映画が苦手な人はきっと、邦画の“食堂かたつむり”にも嫌悪感を抱くだろう。


演出や描写が素晴らしく奇妙。
不妊症の苦悩や人間の性欲をしっかりと描いていた。

その反面、ファンタジーならでは(?)の現実的とは言えない雑な場面も持ち合わせている。
(買い物中、大事なわが子が居る乳母車を外に置き去りにしたり 台所の引き出しに乱雑に狂気(出刃包丁)が入っていたりと

不妊症の夫婦の目の前の横断歩道を通るのが全員子持ちだった時はあからさますぎて笑ってしまった。

人が発言する時、口に吸い込まれるようなアップのカメラワークも斬新で良い。


食べ物とグロを掛け合わせら、多くの人は目を背けたくなるはず。そんな気色悪さてんこ盛り。

じゃがいもの芽をくり抜くただの調理シーンでさえ妙に生々しかったし、
カロンというチョコ、精子のようなドロっとした白濁の液体が閉じ込められたチョコ。。(それが出てきた直後、アルジュビェトカが精子の話を口にしていて正にその通り)

自身は食べ物が汚く映るより、エロじじいの股間からボタンを突き破るような勢いで飛び出してくる手の演出(勃起の意)の方が嫌悪感を抱いてしまった。
相手の露骨な性欲に対峙した人間というのは、物怖じしてしまうものだと思う。この得体の知れない恐怖を味わうことがそもそも怖い。
これ程までに分かりやすく気持ちの悪い演出はあるのだろうか(褒めている)

老人の減退しない性欲と子供の性への芽生え

おとぎ話のカバーをつけた、実際にはSEX指南書?(性機能不全についての著)を読む少女。その悪知恵の働かせ方が正に子供らしい。チェンソーの音とともに加速し、動くように見える本の写真(体位)

賢さと残酷さを秘めたおませさんが母性を抱いていく。


主人公、不妊症夫婦がヒステリー過ぎてこっちまで息切れしてしまいそう笑

待ち望んだ子供が出来たからって、今まで我が子同然大事に育ててきたであろう猫ちゃんをぞんざいに扱ってはいけませんよ。
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