近本光司

細雪の近本光司のレビュー・感想・評価

細雪(1950年製作の映画)
3.0
三度の映画化の一作目。このまま8年後の島耕作版も観くらべたかったのだが、観る手立てがない。大阪の旧家のもとに生まれた四姉妹が受苦する没落の過程が生々しく描かれる、1950年当時の文芸大作。製作費はほかの作品平均の三倍以上の3800万円。四姉妹は上から花井蘭子、轟夕起子、山根寿子、そして高峰秀子。谷崎の寵愛を受けていた高峰秀子の地唄舞は武原はんに付きっきりで指導してもらったのだという。いったいなんという。これ一本では演出家としての阿部豊の仕事の妙味はよくわからない。