Mikiyoshi1986

真夏の夜のジャズのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

真夏の夜のジャズ(1959年製作の映画)
4.2
日曜とか休日の午後に、無性に観たくなる一本!
1958年アメリカで、ニューポートジャズフェスティバルの模様を収録した超名作ドキュメンタリー。
私そこまでジャズに詳しい方ではないのですが、これはとにかく見るたびに、無条件に夢中になっていった映画です。

とある遠い夏の輝かしい思い出が、この90分弱にギュッと閉じ込められた記録映像。
淡いノスタルジーと夢心地な気分に乗せて、我々を58年のニューポートへと誘ってくれます。

ジミー・ジュフリーの小気味の良いサックスから幕を開けるオープニング。
セロニアス・モンクの堂々たるピアノプレー。
半裸のネイサン・ガーシュマンがひとり暗室でバッハ「無伴奏チェロ組曲」を練習する芸術的なインターバル。
浮かれた雰囲気から一転、怪しく緊迫した空気へと変調させるチコハミントン・クインテットの研ぎ澄まされたモダンジャズ。
饒舌さ・演奏共に一流の貫禄を魅せるルイ・アームストロング。
「ゴスペルの名誉」と称えられたマヘリア・ジャクソンの熱唱フィナーレ。
そして個人的にベストアクトなのが、アニタ・オデイが歌声ひとつで様々な風景を表現豊かに歌い上げる圧巻ステージ!

監督バート・スターンの本業は写真家ということもあり、あらゆるショットにおいてまったく余念がありません。
場内の何気ない光景やオーディエンスの様子などもふんだんに撮り入れており、会場の空気を余すことなく伝えてくれる素晴らしい音楽ドキュメンタリーだと思います。

本作の国内盤DVDは長らく廃盤のままなので、画質音質共にリマスターして是非再発してほしいところ!
あとその際は特典映像もいっぱいつけてほしい。
Mikiyoshi1986

Mikiyoshi1986