Miz

彼岸花のMizのネタバレレビュー・内容・結末

彼岸花(1958年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます



娘の結婚に対して自分の思い通りに行かない父親が周りの若い娘や家族によって少しずつ心変わりするのか否か、、
みたいな話。


たしかに2時間かけてもそりゃほとんど変わらないよな。とおもって50年近く生きた大人がすぐに素直に話が理解できたら苦労しない。そこのところがやはりリアル。

だからベタなところでも泣く。
頑固な父もかなり矛盾してるところがあってそこを普通は気が付かない。


小津安二郎作品にしては父親が封建的であれ??って思った。でもそういうものに向き合ったんだろうなぁって思ってみてた。


佐分利信の冒頭からの政治家みたいな喋り方に「うわぁ校長先生みたい」とか色々思ったけど、こういう人は多いわけで、周りの女性たちによって人間ぽくさせられてくような、

田中絹代演じる妻がラスト、電話に出たあと、籐椅子に座って喜んでるところがぐっとくる。

この映画
グッとくるところが何個もあって、

やはり父が娘の結婚式に出ることがわかって妻が娘に伝えに行くところ。
妻の「良かったわねぇ」
これがほんとに響く。
今まで芝居で見てきた色んな「良かったわねぇ」の中でもとくにグッとくる「良かったわねぇ」だった。


山本富士子の
「トリックよ」も素敵。


浪花千栄子は芝居がうますぎる。もう完全にその場所に存在していた。話の長いぺちャくちゃ喋る関西のおばちゃん。でもどこか上品。素晴らしすぎた。
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