しげのかいり

女の叫びのしげのかいりのレビュー・感想・評価

女の叫び(1911年製作の映画)
4.6
俗な言い方だが、飛行機や船が初めて発明された時を追体験したような感動を与えてくれた作品であった。おそらくこの作品よって人は初めてサスペンスを完成させることができたのではないか。まずグリフィス作品を下支えするのは「早すぎた埋葬」的な密室である。外に出ることも中に留まることも不安を呼び起こす中で、外と内の関係を対比させることでサスペンスを煽るのである。その時もっとも重要になってくるのが密室である。グリフィスの作品にあって必ず出てくるのが密室なのである。それに加えて本作は鉄道が出てくる。鉄道も極めて重要な仕掛けになっていて、速さが一定であり目的地が決まっている線路がフィルムの進行と同期する時、鉄道は物語のサスペンス装置として機能する。本作でも救出に向かう父を乗せる鉄道は物語のペースメーカーの位置にあるものだ。そして最後の極め付けはクローズアップである。