ブタブタ

まことちゃんのブタブタのレビュー・感想・評価

まことちゃん(1980年製作の映画)
4.0
『楳図かずお大美術展』に27年ぶりの新作、『わたしは真悟』の続編、絵画作品101点が展示・発表される。
この状況だと行けそうにないのが残念。
40年前にアニメ映画化されてた『まことちゃん』を初鑑賞。
天才・楳図かずおのギャグ漫画世界をシュールで不条理かつ下品すぎて聖なる存在にすら見える幼稚園児「まことちゃん」の日常をまことちゃんの脳内世界の幻想を交えて描く。
基本ストーリーらしいストーリーはない。
好きな女の子にフラレたり、何故か戦場にトリップしたり後は基本うんこちんこうんこちんこの世界。
作画レベルは高く、楳図かずおの細密かつ劇画的な絵をかなり再現してる。
更には基本漫画はモノクロだけどアニメはカラー、その特性を活かしてビビットでサイケデリックな迄の極彩色の世界。
夕暮れの背景が血の様に毒々しい真っ赤っ赤だったり50~60年代のアンデパンダン美術、中村宏の図像絵画みたいなおどろおどろしい絵で、この頃ようやく日本にも存在が知られて来た(参考・スターログ誌)ヨーロッパのBD(コミック)フィリップ・ドリュイエやグイド・クレパックス等の大人向けSF・エロティック・コミックの影響もあると思う。
この作画、サイケデリックかつシュール世界で楳図かずおの長編『わたしは真悟』『14歳』をアニメ化してたらな~と思ったのでした。
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