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ザ・ヤクザのkuuのレビュー・感想・評価

ザ・ヤクザ(1974年製作の映画)
3.7
『ザ・ヤクザ』
原題The Yakuza.
製作年1974年。上映時間112分。

ミッチャムと高倉の共演でポラック監督が描く異色の仁侠映画。

米国人ハリーはある時、旧友からある助けを求められた。
それは、日本滞在中にヤクザ組織の東野組に誘拐された旧友の娘の救出。
東野組とビジネスを交わしていた旧友がトラブルを引き起こしたことがその原因であった。
また、旧友はハリーがかつて進駐軍兵士として日本にいた頃、彼にある恩義ができたヤクザ幹部・田中健に協力させれば奪還できると判断した。
こうして仕方なく日本へ向かったハリー。
だが、再会した健は既にヤクザの世界から足を洗っていた。
それでも健は義理を返すため、ハリーに協力するのだが。。。

なんちゅうても~ぅ、
高倉健の魅力に尽きる作品すわ。
元ヤクザもんの幹部ちゅう設定で、(こんな義理にあついヤクザモン《足を洗っていても》や粋な親爺が前はいた九州や広島には、まだちらほらいるが)
かつての友のために義理人情を尽くしていく姿はまじ勇ましい
(こんなヤクザモンは淘汰されるんやろなぁ)
主演はR・ミッチャムの方やけど、クライマクスのカチ込みのシーンなんかは完全に健さんが主役級の活躍を見せとる。
そこでのミッチャムは、健さんの迫力に押れまくりまクリスティー。
これが妙に笑える。
ほんで、今作品は、米国産映画でよく目にするような、日本のトンデモない、ナンちゃって描写あんまりない。そこも好感が持てました。
映画の出来としては、作りに若干穴はあるものの、物語自体は上手く展開されていると思います。
情で結ばれるハリーと健さんの思いが漏れなくキャッチされとって、映子と健の隠された秘密もクライマックスを盛り上げる伏線として上手く機能している。
ラストの幕引きもしみじみとさせんねんなぁ。
米国人が、義理人情の世界を濃密に描いたたことには素直に拍手を送りたい。
ただ、誘拐事件のからくりは、予想通りすぎて、シンプルやし食い足りない感は否めない。
シナリオの穴ということで云えば、
日本のポリスの動向が全くドラマに反映されてへんのも不自然に感じたかな。
撮影の難しさがあったのかもしれへんけど、ここはリアリティを追求する上でも、外さんでほしかったかな。
健さんの他に岸恵子さんはタイムリーでは知らないけど良かった。
米国映画やし、当然、彼らも英語を話すんやけど、流暢に喋っていて感心。
米国人にも日本通には『サヨナラ』『オヤブン』は普通に通じる。
ただ、流石に『ギリ(義理)』、『ミチ(道)』は説明しないと分からないし、劇中で健がハリーたちに説明しとった。
ハリーの相棒が健さんに
『義理とは借りのことか?』と尋ねとるが、
健さんは『重荷だ』と答えている。
確かに~ぃ。
米国人には理解しがたい観念やろなぁ。
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