のんchan

コーマン帝国ののんchanのレビュー・感想・評価

コーマン帝国(2011年製作の映画)
4.3
ロジャー・コーマン監督と言われても正直ピンと来ない私。
ただジャック・ニコルソンがたっぷり語って号泣するってので鑑賞したドキュメンタリー❣️

"インディペンデント映画の神"と称されるかと思えば、"B級映画の帝王"、"ドライブイン映画"、"安物売り"なんて揶揄される映画監督・製作者のロジャー・コーマン。
超低予算の作品を連発する一方、コーマン監督の作品からハリウッドへと飛び立っていった俳優や監督は数え切れないほどいる。その一部は
ジェームズ・キャメロン、ジョー・ダンテ、ジョン・セイルズ、ジョン・ミリアス、ピーター・ボグダノヴィッチ、ジョナサン・デミ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン、ピーター・フォンダ、ロバート・デニーロ、マーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラ、モンテ・ヘルマン、ゲイリー・カーツ、ロン・ハワード、ガス・ヴァン・サント、スティーヴン・スピルバーグ

本作はコーマン監督の作品や本人へのインタビュー、そしてマーティン・スコセッシなど著名な監督や大物俳優、関係者や親交のある人々のインタビューで、インディペンデント映画の、コーマン監督の魅力を語っている。

私はジャック・ニコルソンが監督に対して語った言葉に愛情たっぷりで、監督のそしてニコルソンの人柄の良さを痛感出来て、まるで宝箱のような作品に思えた🌟

ニコルソンの初主演映画はコーマン監督の『The Cry Baby killer』だった。
ニコルソンは「それまで仕事もなく突然の主役に喜んだよ。ついに来た、有名になるぞってね。でも1年も取材されずで屈辱だったよ(大爆笑)それでもロジャーだけが10年使ってくれたんだ。」

ずっと大手製作会社には背を向け、1人で何でもこなして短期間で凄まじい数の作品を生み出す。スプラッター系多しで、どうみても学生映画で終わりそうな内容なんだけど、意外と笑える🤣

お見かけは、スコセッシ監督曰く「どうみても英国の大学教授(笑)」品が良くてスマートな印象。
実際はスタンフォード大学工学部卒‼️

『ワイルド・エンジェル』は100本目の制作で売れに売れた。
キャストは、ピーター・フォンダ、ナンシー・シナトラ、ブルース・ダーン、ダイアン・ラッド

ブルース・ダーンも何度か出て褒め称えているのが印象的だった。

またニコルソンが語る。
「真面目なLSDの映画を作ろうとした。ロジャーと自分はLSDを実際に試してみた。みんなその世界に夢中になったが、俺は神になる必要はなかったからやめたよ。」
そして『白昼の幻想』が出来上がった。

その後に『イージー・ライダー』をデニス・ホッパーが作ったのも↑の2本があったからこそ。

アカデミー賞には長年無縁だったが、ある監督は「正当に評価されなくても気にしないだろう。その代わり、ファン、多くの監督たちは評価している。皆んな彼が好きだ」

しかし2009年にアカデミー賞名誉賞を受賞した🏆
美しい奥様は監督でもあり、公私共にパートナー。奥様から蝶ネクタイを結んでもらって正装して舞台に立った姿は、高身長でスラーッとしていてスタイルも良く、皆んなの笑顔に包まれて幸せそうだった。

最後にまたニコルソンの言葉を書いておきたい。
「この業界で彼がサポートしなかった人間はいないよ。俺が最大の繋がりで俺の生命のもとだった。お世辞じゃないと彼に解って欲しい。泣きそうだ🥲(本当に涙を流し言葉に詰まっていた)感傷的になって悪いが、皆が彼を愛しているんだ。」

なんかとっても素敵な作品でした✨
のんchan

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