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コーマン帝国のmhのレビュー・感想・評価

コーマン帝国(2011年製作の映画)
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「B級映画の帝王」ことロジャー・コーマンについてのドキュメンタリー。
インタビュー対象者は本人を含め超豪華。ジャック・ニコルソンがこういうのに出てるのはかなりレアなんじゃないかな?
長く見過ごされて/低く見られてきたレジェンドの足跡を辿って、その成果を再評価していくという流れ。
大手映画会社主導だった映画界が、若手映画監督の時代に突入すると、早くから採算性と量産性を確立した映画製作に取り組んでいたロジャー・コーマンにも脚光があたる。
おびただしいの数の新人映画監督のデビューにプロデューサとして携わり、みずからも50本以上を監督している。
見たことあるのは「レッド・バロン(1971)」だけだったけど、ぜんぜんB級臭しなかった。むしろ、お金かかってるように見えた。
やがて、スピルバーグとジョージ・ルーカスの登場=作家性と大型バジェットを両立した「B級大作」の時代がやってくる。
その台風のあとではもうロジャー・コーマンの出番が少なくなってしまった。
そのタイミングで、ジャックニコルソンが泣くのは反則だと思った。こんなんやられて感動しないわけにはいかない。
その後、さらに時代が経つと、タランティーノをはじめとした新時代の作家による再評価が進み、2009年にはアカデミー名誉賞を受ける。ドキュメンタリーとして完璧な展開。
欲をいえばスピルバーグとキャメロンにも取材してほしかったね。
字幕「搾取映画」に「エクスプロイテーション映画」とルビ振ってあった。
「ジュリア・フィリップス帝国」も絶対面白そうなので誰か頼む。実現するならドキュメンタリーよりも劇映画がいいか。
「イージー・ライダー☆レイジング・ブル」と「アメリカン・ニューシネマ 反逆と再生のハリウッド史」も合わせて見たので、たいへん勉強になった。
面白かった!
mh

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