Jimmy

誰のために愛するかのJimmyのレビュー・感想・評価

誰のために愛するか(1971年製作の映画)
3.8
映画タイトルからはどんな映画か想像がつかなかったが、観てみると、一人の女性が「人を愛するとはどういうことか」を結構真剣に考える映画だった。

銀行員のある女性=朋子(酒井和歌子)は、同じ窓口女性行員とクリスマスイヴに飲みに行くが、その女性は不倫相手が居るだけでなく、その飲み屋で初めて会った男性と抱き合ったり胸を揉ませたりしている。立ち去る朋子。

朋子の家付近には、黄色いレモンの男がうろうろしている。
なんかサスペンスっぽい部分もある。

朋子が実家に帰って、母親(森光子)と話すが、朋子いわく「わたし、結婚なんかしないわ。好きになったり憎んだりなんか嫌だわ」との発言。
綺麗なのにもったいない。
実家近くの幼なじみの男友達=敬介(加山雄三)との思い出話にふける。
実家から東京に帰る時に乗るバスの行先を見ると「甲府方面」となっているので、実家はあちらの方らしい。

その後、朋子は取引先の男から言われて付き合い始めて、フィアンセとなる。
朋子がフィアンセと石廊崎灯台あたりをデートしていると、敬介が灯台の上でキスしているシーンを見てしまい、朋子もフィアンセとキスシーンとなるが、この偶然は出来過ぎ。
ただ、朋子とフィアンセが灯台の上に居るところを、かなり下から撮ったシーンでは酒井和歌子のスカートあたりが色っぽいので良し…(笑)

朋子は敬介とデートしたり、雨中のキスなど、さまざまなことがあり、フィアンセの誤解で婚約は解消、敬介の赴任先の福島の山の中の診療所に行くと敬介妻子が居て、いたたまれない。
妻子に別れを告げて雪の中の一本道を歩く朋子が向こう側から。手前側に敬介が立っているが、その横を何も言わずに通り過ぎるシーンは、『第三の男』のアリダ・ヴァリ風であった。

酒井和歌子は綺麗なのだから、やはり笑顔が多い映画が良い気がする。
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