rage30

ブラッド・シンプルのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

ブラッド・シンプル(1984年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

妻の浮気を知った夫が殺人を依頼する話。

序盤はタイトル通り、シンプルなサスペンス映画といった印象だったのだが、中盤で探偵が夫を殺した事で事態は思わぬ方向へ転がっていく。
浮気相手が妻の犯行だと勘違いしたり、死んだと思われた夫が生きていたり、更には探偵が犯行現場へ戻って…と、話がどんどん複雑に、カオスな状況になっていくのである。

この不幸が更なる不幸を呼ぶ展開にはハラハラとさせられたし、先の読めなさには引き付けられるものがあった。
冷静に振り返ると、嫉妬や欲望に狂った男達の愚かな行いがこの悲劇を招いたわけだが、そうしたシニカルな視点も実にコーエン兄弟らしい。

ちなみに、本作はコーエン兄弟の初監督作という事で、なるほど確かに後の作品にも繋がるエッセンスを感じる事が出来た。
一番近いのは、やはり『ファーゴ』か。
フランシス・マクドーマンドが両作に主演している事に加え、映画のテーマ的にも近しいものを感じる。
『ファーゴ』の原点、そして、コーエン兄弟の原点として、コーエン映画好きなら見ておくべき作品だろう。
rage30

rage30