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ブラッド・シンプルのnowstickのレビュー・感想・評価

ブラッド・シンプル(1984年製作の映画)
4.1
コーエン兄弟の初監督作品。
誰か特定の人物のストーリーを描くと言うよりも、神の視点から複数の人物を見ているような作品。
脚本家が書いてる途中に思いつくような、「次、こういう展開にしたら面白いだろうなあ」というアイデアを、ひたすら羅列して、話を転がして見せていくような構成で、途中から釘付けになってしまった。
しかも、物語と言うよりも脚本の構成だけで魅せていくタイプの映画なのに、セリフが無いシーンがけっこう長い時間あったりと、映像表現でも緊迫感を描いてるのも圧巻だった。
ここまで観客のアドレナリンが出るような展開だけで構成されている映画も珍しいと思う。

コーエン兄弟はハードボイルドの影響をよく指摘されているが、本作はどちらかと言うと、ヒッチコックのサイコやフレンジーといったサスペンス映画に近いだろう。

これまでは、あまりコーエン兄弟の作品を見て来なかったが、他の作品も見ていきたいと思う。
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