Habby中野

OPEN HOUSEのHabby中野のレビュー・感想・評価

OPEN HOUSE(1997年製作の映画)
3.7
「光」への意識がものすごく高い。最初は遊びというか、演出の実験的なものかなくらいに考えていたが、これはイメージでなくモチーフ、或いは世界から生活までの深浅に注ぐ「光」と「影」の探求。
カメラも低いし画も狭いのに、外光は温かく花火は近く室内灯は暗部を強調させる。ストーリーでなく、ストーリーに差す光と影の物語(言い回しがややこしい)。それを見る映画。白眉は幻想と現実の境を破るような煌々とした(しすぎた)照明の下での呪術的社交ダンス。ただボーッとしてたら社会に弾かれた人生のイメージを、呪いの光の影が照らす。社交のバウンス、ダンスは遮光か。
オープンハウスは誰でも入れて、誰も住めない。家は誰のものなのか。我々はどこへ帰ればいいのか。
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