Yuki2Invy

禁じられた恋の島のYuki2Invyのレビュー・感想・評価

禁じられた恋の島(1962年製作の映画)
3.8
うーん、出来の好い文芸映画って、観終わるとナニか「シビれて」しまうのですケド、今作もモノの見事にシビれ切ってしまいましたですね。。。

若干エロっぽい明け透けなタイトルといい(⇒原題とは全然違うヤツですが)またストーリーや状況設定もドコかで一回は聞いたコトの有る様な比較的単純なモノかとは思うのですが(⇒モチロン、現代でも通用する設定かと言われると甚だ微妙だとも思いますが)、中々どーして主要キャラ3人の中身とゆーのは結構に複雑で、実に人間臭い「オツ」な味わいが芳醇だったと思うのですね。アルトゥーロは様々な類いの「必要とされる愛」が欠如した世界を生きていて、だから彼がヌンツィアータに求める「役割」とゆーのはソレこそ不定=母であり、姉でもあり、そして当然恋人である…と(最後まで)確かに定まらない様にも見えます。対するヌンツィアータも、当初はごく宗教的・封建的な価値観においての善良な女性、でしかない様にも見えていたのですが、終盤にはそーいったモノをひとつ越える愛(あるいは人間性への洞察)を発露して、そしてお話に見事なオチを付けてゆくのですよね(⇒その彼女の側の「成長」を、ソレこそ「母に成ったコト」と結びつけるのは、コレも現代的な感覚からすればやや社会的に「危うい」言及とゆーコトになってしまいますかね)。重ねて、中々どーして、見た目なんかよりもよっぽど深くて+そして素直に興味深い・面白いクラシックでした。掘り出しモノだと思います。
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