ENDO

禁じられた恋の島のENDOのレビュー・感想・評価

禁じられた恋の島(1962年製作の映画)
4.2
誰からも愛されない(正確には愛されているが1番ではない)からこそ16歳になる希望だけを胸にひたすらに観光地のアマルフィ海岸で霊廟のような荒れ果てた豪邸でひたすら父の到来を待ち続ける少年。ファザコン丸出しでドイツ人の精悍な父を英雄視している。15歳になったある日、父が連れてきた後妻は17歳で軽く接吻され密かに恋心を抱いてしまう。大上段に構えた王道の思春期の実らない初恋のメロドラマ!こういう叙情的な裏腹な感情と少年から青年へのinitiationとしての父への失望が絡み合って(仲間にパロディと呼ばれその権威は仮初でしかなかった)島を出ていく。キイ・ミアスマンが可憐だがすぐに妊娠して母親になってしまう(ので少年は母性と恋心を同時に抱くことになるのだが)ことで余りに神格化された女性となり辛くなってしまう。これは完璧に寓話なのだ。とにかく暗い目をして風光明媚な海岸に1人船を漕ぎ出す景色に見惚れること間違いなし。
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