東宝×フジテレビ×樋口監督。
明らかに、お金、かかりすぎの映画。
キャストも、映像技術も、セットも。
潜水艦を舞台にしたSF×ファンタジー×戦争映画。
閉鎖的な空間を、豪華なキャストが行き交う。
潜水艦のセット、これは本物か。もうリアル過ぎる鉄の塊感、無機質感。
その中に、特殊能力を持つ謎の少女と秘密兵器、、、。
香椎由宇、登場シーンがまさに、綾波レイの登場シーン並みのセンセーショナルさ。
無機質な鉄の塊の中で包帯ぐるぐる巻きで血だらけで、何かを体に刺されて何かをしている。
そして、歌を歌う。
この謎めいた存在感抜群の彼女がこの作品の象徴。
この存在感の脇を固める役者が凄過ぎるから逆にそれに呼応するかのように香椎由宇が煌めく。
話はすごい話。
終戦間近の日本とアメリカ。とある命を帯びて一隻の潜水艦が密かに日本を出港。
“ローレライ”。
魔女と呼ばれるその兵器が向かう先と目的、、、そして、その真相、、、。
一方、軍部の会議室では浮き足立つ上層部で過激派的のクーデター的なものが起きる。
これが“ローレライ”の真の目的に繋がる、、、。
すごい話。
戦争映画なので、色々ある。
特攻とか、戦犯とか、プロパガンダとか。
どっち寄りの話か的なところはあんまり考えず。
逆に、そんな終戦間近の日本の国力や軍備と背水の陣の状況下で、切迫した最後の最後の瀬戸際の作戦の中で、こんな指示系統無視し、誰も死なせないと豪語しながら戦果の真っ只中に猛進するドラマチックな話が成り立つか、とかも考えず。
とにかく、日本人の諦めの悪さ、ピンチをチャンスに変える力、微かな希望を信じる思いの強さ、1つの目的を達成するための果てしない根性、きめ細やかさ、実直さ。
と“和を持って尊しとなす”というか。
どこぞの海かもわからない中でも「辞めたければ降りても良いぞ」という優しさなのか、厳しさなのか。
そっちの、そういう気になり出すと止まらないことは考えず。
とにかく、無謀だとしても、日本人として、日本のために、少しでも正しいことをし、恥じない自分でありたいと思う。
“誇り”と“勇気”を“希望”を持って“未来”を願う気持ちはとてもよく伝わってきた作品。
戦争がどうとか、話の現実性がどうとか、は置いておいて。
香椎由宇が可愛い、それで良い。
「一緒なら、、、耐えられる。」
にドキドキする。
それが聞けるなら勇気が湧く。それで良い。