太平洋戦争末期。広島に原爆が落とされた翌日、最新鋭潜水艦が動き出した。任務は長崎に原爆が落とされる前に爆撃機の撃墜というもの。「潜水艦なのに爆撃機の撃墜？」と思ったら、この最新鋭潜水艦は凄いしろものだった。通常の潜水艦はソナーを発して「耳」で操艦するものだが、この潜水艦は3Dで水中、水上の様子が「目」で見ながら操艦出来るものだった。何故にそんな事が出来るのか？その性能を発揮する為に超能力少女が一緒に乗船していた...。そして、与えられていた任務には裏の目的が潜んでいた...。結論、面白くなかった。戦記物としてはリアリティがなさ過ぎる(やたらに艦長に物申したり、命令無視多数。髪の毛サラサラお肌ツルツルの兵士と少女。まっさらな軍服などなど)、SFとしては超能力少女を深く掘り下げて描かない。恋愛映画としては「少し気になる女の子」程度にしか描かない。戦場での兵士達の友情等を描く人間ドラマとしては、兵士達の間の交流が描かれない。アレコレ「触れる」程度でしか描かず、その代わりに沢山薄味の中身を詰め込んでいただけだった。テレビ局が参加している映画だから兎に角出演者が多い。役者さんは良いけど、台本棒読みの方々も多数出演。唯一主役の役所広司さんが名演を繰り広げてスコアを無星にするところを、一人で1.5まで引き上げてくれた。リメイク版「日本沈没」と「隠し砦の三悪人」を観た時から樋口真嗣監督とは肌が合わない。エンディングだけは余韻を残す終わり方だったので少し救われました。
