エミさん

ぼくのおばあちゃんのエミさんのレビュー・感想・評価

ぼくのおばあちゃん(2008年製作の映画)
3.8
2008年に制作されたハートフルなヒューマン映画。
監督が榊英雄氏。俳優としては多才ですが、監督としては『捨てがたき人々』的な若干、Vシネイメージの強い印象を持っていたので、こんな作品があったんだ…と、驚きました。
映画が始まって、たった1時間足らずで、主人公の人生と共に生きてきたかのよう。リアルに感情移入。期待してなかった作品に、こんなにも泣かされてしまうなんて不覚でした。

住宅販売のトップセールスマンである智宏(岡本健一)は、家庭を顧みずに仕事に勤しむ日々を過ごしていた。ある日、建て替え依頼で顧客担当になった茂田夫婦(阿部サダヲ、清水美沙)の家に行くと、おじいちゃん(石橋蓮司)と孫が仲良くしている姿を目撃する。幼少時、父をガンで亡くした智宏は、パートの掛け持ちで不在だった母の代わりに、おばあちゃん(菅井きん)とよく2人で過ごしていた少年時代を思い出し、忘れていた過去を回想しているうちに、次第に心境に変化が表れてくる。

「時間が過ぎ去ることは幸せなことなんだよ」と、おばあちゃんが智宏に言う…。深い。ジーンと感動したくせに、すぐには納得出来なかった。なんでなんだろう??私はまだ、24時間じゃ足りないと欲深く思っているからなのだろうか? ?
人間は流動的な生き物であると私は思っている。規則的に生きている人間は居ないと思っている。人には感情があるし、それぞれ譲れないものだって揺るぎないものだって違うからだ。これに照らせば、時間が流れる=生きていることへの証しと言えるのであろうか…!?
こんなことを言ってくれるおばあちゃんは、唯一無二の人財である。羨ましくなってしまった。。