子どもの友情もの、たくさん観てきたと思います。
その中でも、特に大好きな作品です。
2人が肩車して通りを騎士達とねり歩く場面は、映画史に残る名シーンですね。
ストーリーは、ありがちといえばありがち。
構成がしっかりしているので、心が動かされます。
ロッドマン・フィルブリックの全米ベストセラー小説『フリーク・ザ・マイティ』の映画化。
映画の原題は『The Mighty』になってます。
題名のとおり、
“弱者であったとしても勇者になる“がテーマでした。
14歳の主人公の男子は学習症、
読み書きに支障が出るディスレクシア。
主人公と友情を育むのは、引越してきたばかりの肢体不自由の男の子(モルキオ症候群)です。
生きづらさをかかえた2人の子どもが、お互いを感化し合い、現代の騎士になっていきます。
いじめグループを撃退したり、暴力を振るわれそうな女性を守る。
信頼関係を深め、自信をつけていきます。
病気の友達とは別れることになりましたが、確かに主人公は騎士道精神を身につけてた勇者になりました。
なにより、ラスト近くの教室でのシーンが良くて。
国語の時間、言葉でうまく表現できなかった主人公が、感じたことをしっかりと主張します。
親友に、中身が真っ白な『フリーク・ザ・マイティ』という本をプレゼントされていたから。
本を渡されると同時に、「言葉は絵の一部、文章の一つ一つも絵」「中身は君のイマジネーションで埋めるんだ」ってアドバイスされていました。
そして気づきます。
この映画は、
『フリーク・ザ・マイティ』の物語の章立てになっていたんですね。
人類が文字を使い出してたかだか5千年くらいなので、読み書き力は必ずしも人間の本質能力というわけではないです。
しかし、現代の情報化社会の中では流暢に操つるべき必須のスキルとして求められます。
後年、このワンシーンと似たようなことを体験をさせてもらいました。
「人が殺されて血が出るような話が好き」と言い、トイレの花子や口裂け女が大好きな子に、読み書きを教えてしていましたが、なかなか進歩しません。
(この子だけではなくよくあること)
1年近くたって、いつもだったらリクエストどおり怖い話の読み聞かせするところ。
12月クリスマス特集ということで、たまたまO・ヘンリーの『賢者の贈り物』を読むことにしました。
読後急にしんみりして、
「お母さんが妹とばっかりと遊んで、自分と遊んでくれない」と発し、「私もお母さんと遊びたい」と言い出します。
その次の回も、ショートショートのどこがどう面白かったのか説明し出したので、みんなびっくり。
内面の成長の瞬間が目撃できたと思いました。
色々体験したことが、何かをきっかけにして、カンカンと繋がったんだなぁと思い、感慨深かったです。
今作は音楽、スティングの主題歌も良かった〜