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ハート・ロッカーの3104Arataのレビュー・感想・評価

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
3.4
【「正しく考え、決断し、行動してますか?」という映画】
・製作者の意図するテーマ的なものが明確には理解できませんでしたが、それでも、爆弾処理班の活動にはハラハラさせらますので、エンタメ映画としての見応えはあります。

・死を恐れない主人公と死にたくない(早く帰りたい)チームメイト。その対比が物語の中心構成をなしているようです。それを踏まえた上で最終的に主人公がくだした結論。それをしっかり提示するために「ミッション終了までxx日」というテロップが度々登場します。

・最終的には「・・・え?なんで?」として終わるのですが、個人的な解釈としては「戦争」という極限の場所だけでなくとも、人は「失うものが減っていくと、危険かどうか辛いかどうかよりも生きていることが実感できる場所に身を投じる生き物である。それが、危険であろうと、辛い場所であろうと、もっと良い場所があろうと、段々とそれを思考する事すらなくなっていく」。そんなテーゼが込められているのではないかなと感じました。日常生活に置き換えても、「なんで現状を変えないのだろう」と思うことは自他ともに沢山あります。これは、この主人公に通づるものがあるのかもしれません。これを観て、改めて自身の身の置き方が「正しいのか」「考えて行動しているのか」を考えさせられます。爆弾処理班として戦場の中での活動は、あくまでも物語であり、その中に込められている「人の行動の原則」的なものを考えるきっかけになりました。
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