『アラビアのロレンス』『ドクトル・ジバゴ』は気になりながらも尺の関係で手が中々伸びないデヴィッド・リーン監督、手始めにこちらから。
駅の待ち合いカフェで出会った平凡な主婦と医師のW不倫の物語。
と言っても、所謂ドロドロしたイメージを持つならそれは覆されるほどに爽やかとすら...
それは映し方の角度や、BGMとして流れるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を効果的に使っているのもあり、なんとも気品があって上質な感じがしてしまう。
不倫が清らかなわけないけど、初心なの?って位に清々しさすら。
冒頭は不倫の終焉のシーンだったことがラストに解る。
出逢い、付き合い始め、毎週木曜の逢びき、映画、ボート、気持ちが弾み若者がするようなことをして行くのを回想していく...
しかし、ローラは常に夫と子供たちが気になり、嘘をつく罪悪感。
アレックの家庭のことはほとんど出てこない。
家庭があって幸せでもあっても他に好きな人が出来るのか?理由などない。それが縁だし運だと思う。
ラストのローラの夫が優しい。
リビングで寛いでいて掛ける言葉
「どうした?悲しい夢でも見てたのか?遠くへ旅をしてたね、よく戻って来た」
と抱きしめる。
はぁ〜、ローラはこの夫を悲しませちゃダメ。
心の中で誰かを思うのも浮気だと思う。でもそれは制御しようがないけどね。
相手をどれだけ信用できるか?
信用させられる自分でいられるか?